先のアジア選手権で予想外のポイント取りこぼしという事態を受け、日本チームは当初予定には入っていなかったこのアジアカップ・マレーシアラウンドに急遽出場することとなった。オリンピック出場枠獲得のため、少しでも取れるところでポイントを取っておきたいという日本の厳しい状況が伺われる。特に男子のチームスプリント、スプリント、ケイリン、ポイントレースは是が非でも上乗せがほしい種目。獲得ポイントの少ないクラス3の位置付けとなっていた今大会だが、クラス1に格上げされるのではという予想もあり(最終的にはクラス3のままで確定)、まさに必勝態勢での参戦となった。
まず何かと問題の多い男子チームスプリントは、第1走北津留翼、2走渡邉一成、3走永井清史という新生メンバーで臨み、タイム1分2秒215で優勝。
マニエ監督はチームスプリントに関して、この後のワールドカップ第4戦まではこのメンバーで固定し、入れ替えは考えていないと明言した。
そして男子ケイリン。伏見俊昭と永井清史が出場し、予選はともに1着で通過。決勝では永井が伏見をアシストする形を取り、伏見が優勝、永井は3位となった。
男子スプリントは予想通り、渡邉一成と北津留翼の決勝戦となり、1本目は渡邉が取ったものの、2本目は北津留の奇襲勝ち、そして3本目も力で北津留が勝利。優勝は北津留、2位に渡邉という結果に。
男子ポイントレースには飯島誠と盛一大が出場。盛の引っ張りで集団を崩し、そこに飯島の効果的なアタックと、2人のコンビネーションで他国選手を翻弄。後半ポイントを獲得し、更に最終周回1周前で1ラップして、飯島が優勝を決めた。
男子マディソンも飯島・盛ペアが出場し、息の合った走りで優勝。3月の世界選手権、北京オリンピック出場に向け一歩前進した。
この5種目とは対照的に、厳しい結果となったのが男子個人追抜きと、団体追抜きだ。個人追抜きでは倉野隆太郎が4位、団体追抜きも4位に終わり、この結果を受け、現状ではこの種目での北京オリンピック出場は難しいと判断。枠取りは事実上断念し、その後のワールドカップでもこの2種目への出場は見送られることとなった。
女子は中長距離のエース、和田見里美の大会直前の怪我などもあり、短距離種目500mタイムトライアルとスプリントで沼部早紀子が3位に入るに留まり、優勝者は一人も出せなかった。
酷暑の中行われた今大会は日本が5種目を制したものの、中国は全て二軍が出場、韓国も主力ではなかったことなどを考えると、マニエジャパンの真価が問われるのはこれからのワールドカップ以降と言えるだろう。
尚、日本、タイ、マレーシアと3戦続いたACCアジアカップもこれが最終戦。日本は最終的に総合優勝を飾った。
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リザルト
●男子スプリント
1位 北津留翼 日本
2位 渡邉一成 日本
3位 Wang Qi Ming 中国
●男子1kmタイムトライアル
1位 MOHD RIZAL Tisin マレーシア 1:04.979
2位 大森慶一 日本 1:06.144
3位 AHMADI イラン 1:07.193
●男子チームスプリント
1位 日本(北津留・渡邉・永井) 1:02.215
2位 マレーシア 1:04.102
3位 中国 1:03.772
●男子ケイリン
1位 伏見俊昭 日本
2位 PARASH イラン
3位 永井清史 日本
●男子4km個人追抜
1位 TUYCHIER Vladimir ウズベキスタン 4:40.889
2位 FENG Chun Kai チャイニーズタイペイ 4:46.230
3位 KHOROSHAHI イラン
4位 倉野隆太郎 日本
●男子4km団体追抜
1位 イラン 4:23.642
2位 マレーシア 4:28.000
3位 韓国 4:28.220
4位 日本(倉野・角・盛・飯島)4:29.018
●男子マディソン(33.33km)
1位 日本(飯島・盛)17 p
2位 イラン 12 p
3位 韓国 11 p
●男子ポイントレース(24km)
1位 飯島誠 日本 40 p
2位 WONG Kam Po ホンコン 19 p
3位 TUYCHIVE Vladimir ウズベキスタン 17 p
5位 盛一大 日本 12 p
●女子スプリント
1位 Li Qing Yu 中国
2位 FATEHAH Mustafa マレーシア
3位 沼部早紀子 日本
石井寛子 予選敗退
●女子500mタイムトライアル
1位 Li Qing Yu 中国 37.145
2位 HSIAO Mei Yu チャイニーズタイペイ 37.400
3位 沼部早紀子 日本 37.667
●女子3km個人追抜競走
1位 LEOW Hoay Sim マレーシア 4:04.721
2位 Ma Fangfang 中国 4:06.974
3位 JUNG In Kyong 韓国 4:06.121
4位 和田見里美 日本 4:06.615
●女子ポイントレース(16km)
1位 Wu Yunmei 中国 23 p
2位 NA Hee Kyung 韓国 22
p
3位 KANG Eun Mi 韓国 18
p
4位 和田見里美 日本 7 p
7位 石井寛子 日本 5 p
<出場選手>
伏見俊昭(JPCA・福島)
渡邉一成(JPCA・福島)
永井清史(JPCA・岐阜)
北津留翼(JPCA・福岡)
倉野隆太郎(JPCA・愛知)
飯島 誠(JPCA・チームブリヂストン・アンカー)
盛 一大(愛知・愛三工業レーシングチーム)
角令央奈(兵庫・鹿屋体育大学)
大森慶一(JPCA・北海道)
和田見里美(鳥取・中京大学)
石井寛子(埼玉・明治大学)
沼部早紀子(栃木・順天堂大学)
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