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ACCトラック・アジアカップ・マレーシアラウンド   2007年11月23日~25日

                            
    マレーシア・クアラルンプール



 先のアジア選手権で予想外のポイント取りこぼしという事態を受け、日本チームは当初予定には入っていなかったこのアジアカップ・マレーシアラウンドに急遽出場することとなった。オリンピック出場枠獲得のため、少しでも取れるところでポイントを取っておきたいという日本の厳しい状況が伺われる。特に男子のチームスプリント、スプリント、ケイリン、ポイントレースは是が非でも上乗せがほしい種目。獲得ポイントの少ないクラス3の位置付けとなっていた今大会だが、クラス1に格上げされるのではという予想もあり(最終的にはクラス3のままで確定)、まさに必勝態勢での参戦となった。

 まず何かと問題の多い男子チームスプリントは、第1走北津留翼、2走渡邉一成、3走永井清史という新生メンバーで臨み、タイム1分2秒215で優勝。

マニエ監督はチームスプリントに関して、この後のワールドカップ第4戦まではこのメンバーで固定し、入れ替えは考えていないと明言した。

 そして男子ケイリン。伏見俊昭と永井清史が出場し、予選はともに1着で通過。決勝では永井が伏見をアシストする形を取り、伏見が優勝、永井は3位となった。

 男子スプリントは予想通り、渡邉一成と北津留翼の決勝戦となり、1本目は渡邉が取ったものの、2本目は北津留の奇襲勝ち、そして3本目も力で北津留が勝利。優勝は北津留、2位に渡邉という結果に。

 男子ポイントレースには飯島誠と盛一大が出場。盛の引っ張りで集団を崩し、そこに飯島の効果的なアタックと、2人のコンビネーションで他国選手を翻弄。後半ポイントを獲得し、更に最終周回1周前で1ラップして、飯島が優勝を決めた。

 男子マディソンも飯島・盛ペアが出場し、息の合った走りで優勝。3月の世界選手権、北京オリンピック出場に向け一歩前進した。

 この5種目とは対照的に、厳しい結果となったのが男子個人追抜きと、団体追抜きだ。個人追抜きでは倉野隆太郎が4位、団体追抜きも4位に終わり、この結果を受け、現状ではこの種目での北京オリンピック出場は難しいと判断。枠取りは事実上断念し、その後のワールドカップでもこの2種目への出場は見送られることとなった。

 女子は中長距離のエース、和田見里美の大会直前の怪我などもあり、短距離種目500mタイムトライアルとスプリントで沼部早紀子が3位に入るに留まり、優勝者は一人も出せなかった。 


 酷暑の中行われた今大会は日本が5種目を制したものの、中国は全て二軍が出場、韓国も主力ではなかったことなどを考えると、マニエジャパンの真価が問われるのはこれからのワールドカップ以降と言えるだろう。
 

 尚、日本、タイ、マレーシアと3戦続いたACCアジアカップもこれが最終戦。日本は最終的に総合優勝を飾った。



アジアカップ・マレーシアラウンド開催中は、現地クアラルンプールより速報&レポートをお届けしました。内容はこちら



リザルト

●男子スプリント

1位 北津留翼              日本

2位 渡邉一成              日本

3位 Wang Qi Ming  中国


●男子1kmタイムトライアル

1位 MOHD RIZAL Tisin マレーシア    1:04.979

2位 大森慶一              日本      1:06.144

3位 AHMADI              イラン       1:07.193


●男子チームスプリント

1位 日本(北津留・渡邉・永井) 1:02.215

2位 マレーシア                           1:04.102

3位 中国                            1:03.772


●男子ケイリン

1位 伏見俊昭           日本

2位 PARASH     イラン

3位 永井清史           日本


●男子4km個人追抜

1位 TUYCHIER Vladimir   ウズベキスタン   4:40.889

2位 FENG Chun Kai チャイニーズタイペイ 4:46.230

3位 KHOROSHAHI     イラン

4位 倉野隆太郎           日本


●男子4km団体追抜

1位 イラン          4:23.642

2位 マレーシア          4:28.000

3位 韓国            4:28.220

4位 日本(倉野・角・盛・飯島)4:29.018


●男子マディソン(33.33km

1位 日本(飯島・盛)17 p

2位 イラン       12 p

3位 韓国           11 p


●男子ポイントレース(24km

1位 飯島誠    日本      40 p

2位 WONG Kam Po     ホンコン         19 p

3位 TUYCHIVE Vladimir     ウズベキスタン 17 p

5位 盛一大    日本      12 p


●女子スプリント

1位 Li Qing Yu      中国

2位 FATEHAH Mustafa      マレーシア

3位 沼部早紀子            日本

石井寛子  予選敗退


●女子500mタイムトライアル

1位 Li Qing Yu      中国  37.145

2位 HSIAO Mei Yu      チャイニーズタイペイ  37.400

3位 沼部早紀子          日本      37.667


●女子3km個人追抜競走

1位 LEOW Hoay Sim   マレーシア 4:04.721

2位 Ma Fangfang          中国        4:06.974

3位 JUNG In Kyong     韓国        4:06.121

4位 和田見里美          日本        4:06.615


●女子ポイントレース(
16km

1位 Wu Yunmei     中国         23 p

2位 NA Hee Kyung  韓国        22 p

3位 KANG Eun Mi  韓国         18 p

4位 和田見里美   日本        7 p

7位 石井寛子            日本            5 p



<出場選手>

伏見俊昭(JPCA・福島)
渡邉一成(
JPCA・福島)
永井清史(
JPCA・岐阜)
北津留翼(
JPCA・福岡)

倉野隆太郎(JPCA・愛知)
飯島 誠(
JPCA・チームブリヂストン・アンカー)
盛 一大(愛知・愛三工業レーシングチーム)

角令央奈(兵庫・鹿屋体育大学)
大森慶一(
JPCA・北海道)
和田見里美(鳥取・中京大学)

石井寛子(埼玉・明治大学)
沼部早紀子(栃木・順天堂大学)


男子チームスプリントは1走北津留、2走渡邉、3走永井で臨み、優勝。当面はこの布陣で戦っていくことになった。

男子ケイリンは伏見が優勝。永井はアシストに回ったこともあり、3位に。

男子スプリント決勝はやはり渡邉と北津留の対戦に。アジアのバンクにはめっぽう強い北津留が2本目、3本目を取り渡邉を下した。

男子ポイントレースでは盛のアシストもあり、飯島が2位以下に大差をつけての優勝となった。

男子マディソンにも飯島と盛が出場。見事優勝を飾り、これから始まるワールドカップへも弾みをつけた。

男子団体追抜きは4位。タイムは3位の韓国からも1分近く離されるなど、厳しい結果となった。




男子1kmタイムトライアル表彰式。大森が2位に。




女子スプリント表彰式。3位に入った沼部は500mタイムトライアルでも3位となり、2つの銅メダルを獲得した。




2007年のアジアカップ総合優勝は日本チームの手に。



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Race Calender

/18/20
UCIトラック・ワールドカップ第3戦(アメリカ・ロサンゼルス)

/26~1/27
2008シクロクロス世界選手権大会(イタリア・トレビーノ)


/15~/17
UCIトラック・ワールドカップ第4戦(デンマーク・コペンハーゲン)


/27~3/30
2008UCIトラック世界選手権(イギリス・マンチェスター)







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