第1戦シドニー大会からわずか一週間足らずで迎えた、第2戦北京大会。オリンピック用に新たに北京市内に作られた250m板張りバンクのベロドロームでの開催となった。シドニー同様、多くの参加人数となった今大会だが、前回の厳しい結果を踏まえ、どう立て直しを図るのかが注目される日本チームは、第1戦と同じメンバーでの参戦。
初日に行われたのは、まず男子チームスプリント。前回同様、北津留翼、渡邉一成、永井清史で出場し、タイム45秒295で11位という結果になった。順位だけ見ると、前回のシドニー大会と同じだが、タイムは今回のほうがコンマ4秒近く速い。しかも3人とも各自前回よりタイムを上げているので、好材料とも言えるが、やはりポイントの面ではもっと上積みが欲しかったというのが本音だろう。10位以下ではほとんどポイント差がないため、ランキングを大きく上げることは難しい。トレードチームを除いた国別チームだけで考えれば7位に相当するタイムではあるのだが、現状のシステムで日本が上位に入るためには、やはり44秒台のタイムを出していく必要がある。
男子ポイントレースには飯島誠が出場。予選第1ヒートは9ポイント取り、3位で通過、前回シドニー大会同様決勝進出となった。決勝ではラップを決め、一時は暫定6位にまで上がったが、その後なかなかポイントを取ることができず、最終的には25ポイント獲得の9位という結果に。
そして日本チーム紅一点の和田見里美が、個人追抜きとスクラッチに出場し、個人追抜きはタイム3分55秒404で30位、スクラッチは予選18位で決勝に進むことはできなかった。
2日目は男子ケイリン、男子スクラッチ、男子1kmタイムトライアル、女子ポイントレースが行われた。
まず男子ケイリンには伏見俊昭が出場。シドニー大会同様、予選第1ラウンドは1着のみの勝ち上がりと、相変わらず萎靡しい条件の中で、伏見と同じ組には世界チャンピオンのクリス・ホイ(イギリス)が。残り1周でホイの3番手につけていた伏見だが、先行するホイを交わすことはできず、2着で敗者復活戦に回ることに。その敗者復活戦でも、カマして逃げた選手を追走し、いいポジションを取った伏見だったが、最後はライアン・ベイリー(オーストラリア)に捲られ、2着。第2ラウンドへは進めず、最終結果は13位となった。
男子スクラッチに出場の盛一大は予選を勝ち上がり、決勝へ。決勝ではラップも決め、8位入賞と健闘した。
男子1kmTTには大森慶一が出場し、1分6秒087で10位。前回よりも順位は上がったものの、タイムはほとんど変わらずで、依然上位選手とは4秒ほどの差がある状況だ。
女子ポイントレースに出場した和田見は予選14位で、決勝進出はならなかった。
3日目の最終日は、男子スプリントと、マディソンが行われた。
男子スプリントには渡邉と北津留が出場し、予選200mTTで渡邉が10秒386で13位となり、1/8決勝へ進出。北津留は10秒558で27位と予選通過できず。
1/8決勝でミカエル・ブルガン(フランス)と対戦した渡邉だが、敗れ、1/4決勝Bに回る。しかし渡邉はここでも勝てず敗退となり、最終順位は13位となった。
マディソンには飯島・盛が出場。前回のシドニー大会では予選敗退だったが、今回は2ポイント獲得で9位となり、予選を通過。160周の決勝では、段違いのスピードに苦戦し、なかなかポイントを取ることができず、最終的に14位という結果になった。しかし、世界レベルの大会はまだ2戦目というマディソンでの決勝進出は、大健闘と言ってもいいだろう。
W杯第2戦北京大会は、いまひとつ波に乗り切れない短距離陣に比べ、中長距離陣の善戦が目立った大会だった。
年明け1月中旬に行われる第3戦ロサンゼルス大会までは日数もあり、再度調整し直しての参戦となるだろう日本ナショナルチーム。人選、戦略面などで変化はあるのか。いろいろな意味で注目のロス大会と言える。
○出場選手
伏見俊昭(JPCA・福島)
渡邉一成(JPCA・福島)
永井清史(JPCA・岐阜)
北津留翼(JPCA・福岡)
大森慶一(JPCA・北海道)
飯島誠(JPCA・チームブリヂストン・アンカー)
盛一大(愛知・愛三工業レーシングチーム)
和田見里美(鳥取・中京大学)
リザルト
●男子1kmタイムトライアル
1位 PERVIS Francois FRA 1:02.029
2位 BOLIBRUKH Yevgen UKR
1:02.943
3位 LI Wen,Hao CHN 1:03.702
10位 大森慶一 日本 1:06.087
●男子ケイリン
1位 HOY Chris GBR
2位 TOURNANT Amaud FRA
3位 MULDER Teun NED
13位 伏見俊昭 日本
●男子ポイントレース
1位 LLANERAS ROSSELLO Joan ESP 60
2位 NEWTON Chris RCY 54
3位 MEYER Cameron TOS 53
9位 飯島誠 日本 25
●男子チームスプリント
1位 オランダ 44.394
2位 フランス 44.414
3位 イギリス 44.837
11位 日本(北津留・渡邉・永井)45秒295
●男子スクラッチ
1位 FRIEDMAN Michael USA
2位 PEREZ Walter Fernando ARG
3位 MERTENS Michael DEN
8位 盛一大 日本
●男子スプリント
1位 BOS Theo NED
2位 BOURGAIN Mickaël COF
3位 NIMKE Stefan RAD
13位 渡邉一成 日本
27位 北津留翼 日本 予選敗退
●男子個人追抜き
1位 WIGGINS Bradley TMT 4:25.316
2位 DYUDYA Volodymyr UKR 4:25.843
3位 SEROV Alexander RUS 4:26.240
●男子団体追抜き
1位 イギリス 4:02.517
2位 ニュージーランド 4:05.220
3位 オランダ
●男子マディソン
1位 フランス 1
2位 Tモバイルトラックチーム 0
3位 ウクライナ 0
●女子スクラッチ
1位 VOS Marianne DSB
2位 GOSS Belinda AUS
3位 GONZALEZ VALDIVIESO
Yumari CUB
●女子スプリント
1位 TSYLINSKAYA Natallia BLR
2位 PENDLETON Victoria SIS
3位 SANCHEZ Clara FRA
●女子団体追抜き
1位 ウクライナ
2位 ロシア
3位 キューバ 3:35.732
●女子ケイリン
1位 KANIS Willy NED
2位 MUCHE Christin GER
3位 TSYLINSKAYA Natallia BLR
●女子500mタイムトライアル
1位 GUERRA RODRIGUEZ
Lisandra CUB 33.994
2位 KRUPECKAITE Simona 34.447
3位 TSYLINSKAYA Natallia BLR 34.595
●女子個人追抜き
1位 MACTIER Katie AUS 3:37.620
2位 FOMERO Rebecca GER
3:40.528
3位 HAMMER Sarah USA
3:37.112
30位 和田見里美 日本
●女子チームスプリント
1位 オランダ 33.726
2位 フランス 34.731
3位 中国 34.452
●女子ポイントレース
1位 VOS Marianne DSB 12
2位 GONZALEZ VALDIVIESO
Yumari CUB 12
3位 BATES Katherine TMT 9
和田見里美 日本 予選敗退
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